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第6週目(実習編)

今回は実習と講義の内容の話なので、結構つまらないです。

月曜日→
実習はフォローアップの患者さんが一人いただけだったので、講義が中心だった。
その日はCOMAの講義。

そもそもCOMAの定義がわかっていなかったが、
COMAの定義:Decreased level of consciousness and no spontaneous reactionらしい.
Persistent vegetationはComaには含まれない。
なぜならちゃんとSleep cycleは見られるから。ちなみにPersistentの定義は一般に3か月以上らしい。

COMAのDifferential diagnosisは医学生なら知らない人はいないほど有名なmnemonicsがある。日本の救急の教科書には必ずといっていいほど、AIUEOTIPSと書いている。
しかし今回の講義はその項目は見なかった。それより実践的な内容。
Focal neurologic deficit, brainstem function, CT, MRI, CSFの結果により、Differentialが変わってくるという趣旨であった。Advancedな内容で理解困難だったので、ここには無秩序すぎて書ききれない。

こっちに来て違う言語で医学を勉強して、思ったことはいくつかあるが、その中でも特に強く感じていること。それは医学を勉強するなら絶対に日本語よりも英語の方が確実に効率がいいということ(仮に英語に全く苦労しなかったらの話だが)。
その理由は以下の通り。
①Mnemonicsがいっぱい
②略語が多く、しかもそれを使いやすい
③アメリカで広く使われている教科書はとてもsystematicで漏れが少ない
④教科書レベルでもかなり詳しい内容まで書いてある
⑤鑑別をするために必要な身体所見、検査、初期のマネージメントが網羅的に書かれている
などなど。
日本の教科書にはない良さがたくさんある。

☆この日学んだこと
Epidural hematoma:
外傷によって起こりやすい。したがって脳挫傷も伴いやすい。
動脈性の出血で、ただちにICP上昇、ヘルニアを起こして昏睡。死亡率が高い。

Subdural hematoma:
Cortical surfaceとDural sinusesの間の静脈がruptureして起こる。
静脈性の出血なので、Epidural hematomaほど重篤ではない。

Intraparanchymal hemorrhage:
小脳に起こったら、decompression。
他の部位はdecompression不可能。基本的には血を引いてくるのみ。

CSF:
・Opening pressureの基準値:5~15cm H2O
・Glucoseは血漿の値の2/3以下が異常(STEPには確か50以下が異常って書いてあったような・・)
・Glucoseが減るもの4つ
Bacteria, fungi, cancer cell, TB


火曜日→
この日も講義。
以下は学んだこと。
Migraneの3/4は女性、そのうち2/3は月経周期に関与。
そして最もこの講義で重要なこと。
それはMigraneの病態生理。
血管がどうのこうのは最近違うんじゃないかという噂。

三叉神経の興奮→神経末端から Substance P, Calcitonin Gene-related Peptide, bradykinin, histamineなどが放出(Blood vessels, sinuses, musclesに向けて)→Pain, peripheral associated features( allodynia, congestion, swellingなど)というカスケードが今の主流の考え方らしい、へぇ~。

Migraneは治療薬、予防薬がたくさん。
抗痙攣薬、B-blocker, Tricyclic antidepressant, SNRI, Estrogen, CCB, B2, Co-enzyme Q-10, Magnesium, Aspirin。

Co-enzyme Q-10って健康食品によく含まれてるけど、一応医学的に使われるということを初めて知った。

水曜日→
相変わらず朝がめちゃくちゃ早い。
この日は朝6:00起き。日本のポリクリでは朝8:00に起きれば確実に間に合うので、朝が弱いオレにとって、これはかなりの苦痛。
この日は新しい患者さんが来た。さっそく病歴を見て、uptodateを調べ、問診したい項目、身体所見でとらなきゃいけない項目をまとめて、いざ患者さんのところへ。
Chiari malformationとか今まで知らなかったけど結構メジャーな疾患なんだということを知る。
患者さんは11歳、女性。
7歳のときにChiari malformationで水頭症になり、VP shuntを設置。
以来2回、Shunt malfunctionを起こして、頭痛で救急外来入院。
去年の10月と12月にShunt revisionを二回やってる。今回も頭痛が主訴といった感じ。

10歳代の患者さんを見るのは今回が初めて。
前回の患者の問診をとったときは患者さんの母親が結構きびしめな人だったが、今回は愉快な人だった。オレのしょうもないジョークにも笑っていてなごんだ。
先週の出来事で自信を少しなくし、今回の診察もそれを思い出してしまって不安だったが、なんとかなってよかった。患者さんが優しいと本当にほっとする。

この日はカルテも書いた。
ただ、AssessmentとPlanがやっぱりいつも結構苦渋する。
というのも、レジデントが結構非協力的で質問しても知らんというような感じだから、自分一人で考えて、ひーこらひーこら言いながら、いろんな資料を調べて翌日までに朝のカンファの準備をしなければいけないから。
正直、自分の調べ上げたAssessmentとPlanが患者に適切からどうかということに自信が持てないから相当苦労している。
今のところ間違ったことは言っていないが、これをあと2週間続けるのはなかなかめんどくさいし、変なプレッシャーがかかっていやだ。
今度は他のレジデントに聞いてみよっと。

さらに病院の実習が終わったあとはSHACの二回目。
ずっとvolunteerをできるか返事待ちだったが、やっと先日許可をもらえて、チームに所属することができた。
この日見た患者さんはたった一人。4年生と同席だったが、ほとんどHistoryからPhysicalをすべてやらせてもらって、相当いい特訓になった。

22歳 男性
主訴:右上部の胸痛

いきなりこれだけで鑑別は絞られる。
Muscle pain, intercostal neuralgia, costochondoritis, VZV, psychologicalなどを鑑別に挙げた。
しかし、病歴を聞いても、身体所見をとってもいまいち合致するものがなく、muscle painで片づけてしまった。サッカーしたあとに痛くなるって言ってたからたぶんそうなんだろうけど。1年も痛いらしい、大丈夫かなぁ。

今回の患者さんは残念ながらそれほど勉強にはならなかったが、いい特訓にはなった。
今度はAttendingへのプレゼンもやってみよう。

この日は疲れ果てて11時に帰宅。
次の朝早いのに夜更かしして後悔した。

木曜日→
Attendingがいきなり変わった。
いままですごく優しいおじいちゃんだったが、今度は若くて、ちゃらちゃらした感じで、しゃべり方はぼそぼそしていて何言ってるのか聞き取れなくて、そのくせいろんな情報を求めてくる非常に厄介なAttendingになってしまった。
プレゼンもいままでなんなくやってきたが、この日は結構厳しかった。
自分では結構速い英語で、しかも要点をしっかり強調してプレゼンしたつもりだったが、大きな貧乏ゆすりをし始めて、明らかにイライラしているのが見え見えだった。
あ~、このAttending厳しいなぁ。と思っていたが、この人はたった2日間だけらしい。
マジで助かった。

金曜日→
Attendingが変わったせいで急にカンファの内容が意味不明になった。
ただでさえRareな病気ばっか集まってる小児神経内科なのに、ぼそぼそとトークされてはたまったもんじゃない。
ここにどれくらいRareな患者さんがいるか例を挙げると・・・
・NMDA抗体陽性のlimbic encephalitis
・Devic syndrome
・Lennox-Gastaut syndrome
極めつけは・・・
・Hopkins syndrome

世界でまだ100例くらいという代物疑い。

この日は3年生が受ける試験を自分も2つ受けた。
ひとつは筆記試験。
ミニテストみたいなもので事前に渡された問題集のなかから出るというもの。
ただし、自分は予習をまったくしてなかったのでできるわけがないことはわかっていた。

問題数は11問だったが、4問目を終えたとこでみんなが終了してて焦った。
なんとか問題を全部終わらせ、答え合わせをしたが結果は5点。めっちゃしょぼい。
たぶんみんなは満点だったからこれは勉強しないとまずい。
Hurler syndromeとかSturge Weberとか名前は聞いたことあるだけで全然知識がなく
、めっためたにやられた。休日はもう勉強して追いつくしかない。

もう一つは実地試験。
神経の身体所見を声かけをしながら、すべて必要なものを取っていくという試験。
OSCEでやったときのようではなく、対象は実際の患者さん。
Brain Tumorの患者さんで、AnxietyやDepressionを合併。
身体所見を取ろうとしたら最初は拒否された。が、
“ This exam is needed to check your body condition. I need to check you for me, and also for you.” みたいな感じで頑張って説得をしてたら、納得してくれた。
その後はさっさと身体所見を取らせてもらった。
Residentが終始それを監視し態度、診察項目の必要十分性など評価するのだが、結果は満点をもらえた。
自分の予想をはるかに超える絶賛ぶりで、すこしいい気分になってしまった。
これからもっと自信をつけていきたい。結局今週はかなり疲労困憊した一週間だったが気持ちよく終えることができて、達成感は大きかった。
来週までにもっと勉強して、今度は素早い判断やコミュニケーションが要求される外来をできるようにしたい。
こんな感じで実習は終了。休日はホストファミリーに日本食でも作ってみよう。

第5週目(休日編)

金曜日→
この日はひどい頭痛に襲われ、学校には午後に少し顔を出しただけで帰った。
というのも、今日はペンシルバニア行きの午後8時のフライトに乗らなければならないから。いったいどれだけこの日を待ちわびたことか・・・。
小児神経内科は最高に勉強になるが、一方で最高に神経がすり減る。
日本の実習でも小児を見るのはわりかし大変なのに、アメリカでやるのはそうとうきつい。
家族も相当なお金を払って入院しているわけだから、適当な診療なんて絶対に許されない。
今週のnew patientかつfollow upしていた患者さんのお母さんはいい人だったが、てんかんを繰り返す子供を心配するあまり、いらいらしたり終始不安そうな感じであった。
そこへ、ぺーぺーの日本人が乗り込むわけだから、気分は最悪だろう。
毎日朝一に昨日から今日にかけて変わったことはないか聞くのだが、ある日患者さんにとある質問をしたら、「それ昨日言ったでしょ。」と半ギレされてしまった。
こっちに来てから一生懸命患者さんを見ようとしているが、怒られてしまったのは今回が初めて。まぁ大して怒ってなかったんだろうけど自分的にはダメージが大きかった。
そしてそのダメージから回復するべく、ベストなタイミングでペンシルバニアに行くことができた。
一日目、International Houseを訪れた。PENNのInternational Houseは世界各国から(当然日本の学生も割といる)集まっていて、しかも憩いの場のような喋る場所がたくさんあって羨ましかった。米は休日は基本的に引きこもっているらしいが、彼の英語力でそんな感じで引きこもっているのはもったいないなぁと感じた。いくらでも海外の友達作れるだろうに・・。津下さんはなかなか対外的に友達をたくさんつくっていて素晴らしいなぁと思った。僕らもホームステイ先にいろんなホストの友達が遊びに来て、集中彼らとおしゃべりをしたりするが、同年代の人はなかなか来ない。
このInternational Houseは基本的に学生のみらしく、学生時代最後の青春を送るのにはとてもふさわしい場所だなぁと思った。
この日は、米の部屋を占拠。俺はベッドで寝て、米は代わりに床で寝てくれた。
さすが、やっぱりあいつはタフすぎる。

土曜日→
この日は昼からペンシルバニアの観光案内をPENN2人組にしてもらった。
CHOP(小児の病院)もHUP(成人中心の病院)も規模がでかく、まるで迷路のようで終始自分が今どこにいるかということがつかめなかった。
病院の造りはUNCと大体一緒のような感じだったが、相違点を二つ見つけた。
一つはUNCは敷地が有り余っているので、横に非常に広い。
一方PENNの方は都会だから、あまり敷地を広くとれないようだ(それでも十分、鶴舞キャンパスよりはるかに広いが)。
二つに、PENNはVIP患者の部屋があるということ。
この部屋はちょっと通過しただけだが、空気が異常だった。普通の高級ホテルよりもさらに何段階も上のような病室だった。病院食を出す人がビッチリ決まった正装しててびびった(タキシードで)。シーツもしわ一つない感じ。たぶんHousekeepingが厳格なんだろう。
そして料理は銀色のボールのような蓋に覆われて、できたての料理が出てくるらしい。別にここまでしなくてもと思うが、ここがやっぱりアメリカなんだなぁと思った。
あとはほとんどUNCと一緒。病室の作り、病院の雰囲気(UNCの方が開放感では勝る)、カフェの値段や味。
そしてその後はStudent shopによってお土産を購入。
バスに乗り、古い建物の密集している場所へ行き、ベンジャミン・フランクリンの記念館、Liberty Bell、議会などを覗いてきた。
津下の友人のオススメだというCheese Steakのお店に向かうことになった。
チーズにステーキってどんだけ胃に堪える料理なんだろうと思っていたけど、とてもあっさりしたテイストのサンドだった。確かに味はちょい薄めだったがかなり美味しかった。
そして、PENNに来た最大の目的、それはPENNの二人組と一緒に観光することでもあったが、3ヶ月前から予約していたMozart Piano ConcertとBruckner No.8でSimon Rattleという自分の超ツボを突いたようなコンサート。
Kimmel Centerという会場に入ると、それ自体が完全にアートのような作りで、ホールがいくつかあった。事前に予約していた100$のチケットを受け取りいざホールへ。
この時すでに期待のあまり興奮絶頂で卒倒しそうなくらいだった。
米と津下さんは学生チケットを購入。津下さんは定期だったから25$払っていたが、米はそのおこぼれでなんと8$で入れていた。
しかも席はかなり近く。100$も支払った自分が少しばからしく感じたが、知らなかったから仕方ない。
コンサートは案の上、満員。隣にいかにも上品で金持ちそうな老夫婦が座っていて、自分がそこにいることに少し申し訳なさを感じた。自分かなりラフな格好だったし。

しばらくするとオケのメンバーがそろい、舞台が暗くなった。
その後歓声とともに白髪のもじゃもじゃしたラトルが現れた。やっぱり後ろ姿からも風格が感じられる。
最初はピアノコンチェルト。オケは少人数、ダイナミクスも発音もかなり控えめで、ピアノがとても際だって聞こえた。しかし、あまりのオケの響きのなさにこのホール本当に大丈夫か??と疑問に思いながら聞いていた。

次はずっと聞きたかった夢にまで見たBruckner。wikipediaを読んだり、CDのパッケージを読んだり、iPodを聞き込んだり、プログラムを見たり。事前予習は大体完璧にやってきた。スコアは残念ながら手元になかったが・・。
演奏は第一楽章の冒頭から今まで持っていた懸念を完全に吹っ飛ばす音だった。
冒頭のチェロ、バス静かなのに地響きがしていた。これが本物のプロオケなんだと初めて知った。最初のCを主音とした和音も完璧。その後のビオラ、チェロも流動的。
いつも学生オケを聞くときはここできっとしくじるんじゃないかなとか心配しながら聞いてしまうのだが、このときは全然違った、安定感があり、しかも人を動かすリズム・音色・ハーモニクス求めていたものほとんどすべてが満たされていた。
特に目立って素晴らしかったのはトロンボーン、チューバ、チェロ、バス、オーボエ、クラリネット。ティンパニも最高だったが、もっと堅いバチで叩いてくれるとより好みに近かった。2楽章、3楽章がとりわけ対位法がくっきりとしかも二つが完璧にマッチしていてとても聞き映えがする。ここがマーラーともっとも決定的に違う良さだろう。
この演奏は一生心に残るような素晴らしい演奏だった。3日間の公演で最終日ということもあり、弦の弾きっぷりもかなりアツかった。プロがのめり込むとすごい、言葉ではたとえようのない感動があった。演奏は終始鳥肌がたっている状態。
終わったあとは完全なるスタンディングオベーションだった。終わったあとはしばし余韻に浸ってぼけーっとしてた。
この日はその後、米と夜のPENNをジョギングして、そのまま疲れ果てて寝た。この日も俺はベッド、彼は床だった。
日曜日→
土曜日にあまりに精力的に活動したため、疲れてしまい行く予定だった美術館はキャンセルしてしまった。代わりに珍しく休日に米の部屋や共有部屋で勉強をした。というのもPEDS neurologyはレアな患者さんが多く、全然先週は病気のことがわからず終わってしまったので復習しようとしたのだった。その後は米のお手製のステーキをご馳走してもらい、帰宅。家に着いたのは夜の11時すぎ。かなりよい気分転換になった三日間であった。

第5週目(実習編)

月曜日→
小児神経内科のオリエンテーションが朝の7時半から始まった。
事前に知らされている話では、現地の3年生と合流して一緒に行動するらしい。
果たしてうまくやっていけるのか、小児の神経疾患とか全然知らんし。
勉強しようと思って先生から事前にPediatric Neurologyという本を借りたが4ページ読むのに1時間かかってしまい、30ページくらいで断念。
あまりに心配すぎてこの日は5時に起きてしまった。
さすがチキンな俺。
案の上、オリエンテーションに行くと、3年生がづらづら集まっていた。
最初に大量のハンドアウトと問題集2冊、教科書1冊を渡された。
間違えて、病院実習じゃなくて講義を選択したのかと思い、焦った。
けれど、内容は病院実習中心で、その合間を縫って講義があるとのこと。
朝7:30~8:30と昼12:00~1:00まで。つまり、朝が早い上に、飯を食いながら講義を受けなければならない。厳しい~。
まず最初のオリエンテーションで若干混乱していて、うまく趣旨がつかめなかった。
が、どうやら僕を先日伝えた希望通りinpatient中心で見ることができるようだ。
初日はカンファの後、すぐ回診。患者が少ないから速効終わった。けれど、今までのようにはいかない。今度は飯を急いで買いに行き、講義を受ける。
初日の講義はいきなり実践的な講義。
タイトルはCranial Nerves, Motorの身体所見の取り方。
備忘録として流れを確認。取るのは神経のみに焦点を置く。
視力の確認、視野の確認、眼底鏡、MSの特異的検査(両手を被検者の前にかざして素早く左右を見てもらう)。
残りのCranial Nervesの確認。
眼振、輻輳、対光反射、顔面の感覚、顔面神経(3つ)、聴神経、舌下神経、カーテン徴候、副神経の流れ。次にMotor、Musculoskeletalの確認。
本態性振戦の確認、バレー徴候、MMT。
MMTに関して日本でずっと疑問に思っていたことがこのレクチャーで解決された。
そもそもMMTの定義は0~5の6段階で表示される。5がMAX。
5:強い力に対抗できる。
4:弱い力に対抗できる。
3:重力に逆らって動かすことができる。
2:重力に少し逆らうことはできるが、あまり動かせない。
1:ほんの少ししか動かない。
0:全く動かない。
だったと思う。
僕がずっと疑問に思っていたこと。それは名大でのポリクリで神経内科を回ったときのこと。先生がMMTを取ろうと思っていたが、いきなり力をかけてMMTを計っていたこと。
これでは重力に逆らって動かすことができるかということがわからない。
つまり、MMTの正確な判定ができていないじゃないかとずっと思っていた。
やはり答えはその通りだった。
例えば上腕二頭筋のMMTを計るなら、両側の上腕を水平にし、それから力を加えて引っ張る。そして、その次に上腕二頭筋を上に向けるような格好でMMTを計る。前者は重力が上腕二頭筋にできるだけかからないようにしていて、後者は重力が自然にかかる。
これによってMMTの正確な判定ができるとのこと。
さすが、この学校はかなり教育に力を入れているだけあって身体所見の取り方についてもこだわりが素晴らしい。上腕三頭筋は女性は弱いからそれを加味して計測しなければならない。そしてMMTは疑わしき場合は手の先まで見る。こんなことはOSCEでは教わらなかった。
手の背屈、掌屈。指も同様。そして手を虎が爪を立てるような格好にして、引っ張る。また、指を広げてそれを横から挟む。ただ、指のMMTはあまり必要ない場合、Squeezeしてもらうだけでよい。大腿四頭筋は全体重をかけてやらないといけない。足の背屈も同様。
足の底屈。
その次は両手を胸の前で交差して独力で立たせる。
そして最後に忘れてはならないのが、脚の外転、内転筋のMMT。
この日は残りは外来を見学して終了。

火曜日→
この日は知らぬうちに他の3年生(Hurst, Elda, Matt)が患者さんを持ってプレゼンしていた。気づいてなかった。自分がWardにいるということに。
新しい患者さんが来たので、いきなりその子を担当することになった。
まだ小児とかどう扱ったらいいのかわからず、神経の病気もまともに知らないが、当たって砕けろ的な感じで突入した。
案の上、病歴・身体所見を取るのに難航。それ以上に困ったことは黒人のお母さんがなに言ってるのか聞き取れないこと。
Nの発音を「いぇー」とか言うからわからん。
2時間半くらいかけてカルテを仕上げた。明日は朝来て、患者さんの容態を見て、プレゼンの準備。そして朝その後発表という段取りらしい。大丈夫か、俺とか思いながら家に帰っててんかんをめちゃくちゃ調べた。明日朝6時起きなのにと思いながら2時くらいまで教科書を読み続けた。

水曜日→
朝早速患者のところへ向かう。
しかし、どうも様子がおかしい。
お母さんがなんか不機嫌だった。でも構わずガンガン質問。
そしていざプレゼン。先週やったばっかなのに、今回は分野が違うし、プレゼンの内容が違ったから緊張した。てんかんとかかなり奥深いから、突っ込んだ質問が来ないか心配だった。けれど結果はVery goodとのこと。めっちゃ安心した。
でも入院している間は毎日follow upをして朝にプレゼンをするという地獄。
あーあ、これからまた朝6時起きかぁ。

午後は例に漏れず、講義。
この日の話題はEpilepsy。おいおい、一日早くやってくれよ!
そしたらこんなに昨日苦労しなかったろうに。

まずEpilepsyの定義
Recurrent unprovoked seizures
つまり、having no acute, proximal causeのもので反復するもの。
EpilepsyはSeizureとよく混同されることがあるが、ここを混同するとえらい誤解につながる。
一般的特徴:発作性、常動的、短時間持続

Seizureは大きく分けてsimple, complex(意識があるかないか)あるいはpartial, generalized(部分的か全身性か)に分類される。
Auraはsimple partial seizureのうちの一つ。
後頭葉に起これば、何かが見えるし、側頭葉に起これば、デジャブが見えたりするとか言ってたっけ・・・
Tonic clonic seizureの後はconfusionそしてrecoverという流れ。Generalizedは一般的にComplexである。
Seizureにはさまざまな原因があるが、Electrolyteで起こるもの。
Hyponatremia, hypercalcemia, hypermagnesemia, hypoglycemiaも。。

偽の心因性を見分けるポイント
・目が閉じていること、そして目をこじあけようとするとそれに対抗すること
・背中を弓のようにそらすこと
・頭を左右に振る動き、あるいは胴体のそのような動きなど

その他のnon-epileptic events
・TIA(weakness, visual deficit)
・Migrane
・Syncope
(Vasovagal, Postural, Reflex, Arrhythmia, Cardiac disease)
・Transient global amnesia
・Vestibular disorders
・Hypoglycemia(focal deficitを伴うことも)
・Movement and related disorders
・Sleep related disorders

Labo
Electrolytes, glucose, renal, hepatic, CBC, tox.screen, drug levels

CT/MRI brain
Outpatient EEG
Ambulatory EEG
EKG(possible cardiac cause)
LP(possible CNS infection)

Treatment goal
No seizures, side effects and monotherapy

こんな感じでさらにケースを検討するというレクチャー。これで一時間だが、nativeでない俺はちゃんと講義を吸収しようと思うとかなりのエネルギーを要する。

今日は日記が長くなっちゃったからこの辺で続きはまた今度!

第4週目(休日編)

しばらく日記を更新していなかったので一気に更新しようと思います。
まず土曜日→
この日は一日何も予定がなかったし、感染症科の実習が一通り終わってリラックスしたかったのでサイクリングへ。
サイクリングに行くついでに、スーパーマーケットへ寄ろうという話になり、地図を片手に自転車をこいでいった。いつもサイクリングといえば家と病院の往復だけで、やっぱり通ったことのない道を通るのは清々しい。しかし地図にあるはずの道が途中で消えていた。
しかたなく道なき道を自転車で強引に通過。するとさらに知らない道へ。
どうやら地図が不正確すぎて、まったく当てにならないということに初めて気がついた。
車なら往復10分かかるかどうかなのに往復で1時間半もくった。
お目当ては夏野菜カレーの材料。
ホームステイ先の家族に食べてもらおうという目論見で大量に材料を買った。カレー粉は実家から送られてきたもの。なぜカレーを選んだかというと、カレーは百歩間違っても失敗しない料理だから。。
以前、部活の同期、後輩に教えてもらったものを隠し味として入れてみた。
ちょっとカレーが臭くなったけど、味はとてもいい感じ。
ホームステイ先の家族が喜んで食べてくれた。
一ヶ月経って初めてホスト孝行できたぜ。

日曜日→
この日は教会で音楽の演奏をやることになっていた。
練習は事前に3回くらい合わせただけ・・・。リハーサル1回。
本来の俺ならもっと練習しないと落ち着かなくて良いパフォーマンスができないが、この曲はコードをたった3つ弾くだけ。無茶苦茶簡単で少し退屈だったけれど、とてもいい経験になった。教会に来るのは3回目なのに、すごいみんながwelcomeな感じで休日のrelaxationになっている。演奏し終わった後は、知らない方々がいろいろと話しかけてきてくれた。
昔、UNCで小児神経外科をやっていた医者、日本の米軍陸軍基地でかつて2年くらい働いていた人、軽度の知的障害をもった人、息子が東京の大学で勉強しているという人、息子がチェロを弾いているから一緒にどうだいと誘ってくれる人。
本当に様々な人がいる。
そして今日はホームステイ先の息子Maconがスピーチをした。
相変わらず1ヶ月の一緒に過ごしているのにぐっちも俺も彼の英語が完全にはわからない。
来年から彼はcolledgeに行くから下宿するということで、この教会と関わってきた経緯を話していた。とてもfunnyなスピーチで笑えた。基本的に大口ばかりたたいて、人を笑わすのが得意。ほとんどのアメ人は皮肉を言って笑いを買うことが多いが、彼の笑いには有害性がない。Maconは本当にいい奴。
よく夜中にこっそり友達の家に行ってお酒など飲んだり(当然まだ未成年)、街に繰り出したりしているらしいが、今度一緒に飲みにいったりしてみたいもんです。

昼からは前回バーベキューに僕らを連れていってくださった先生の宅へお邪魔しました。
事前にぐっちはピアノ、僕はチェロを弾けと言われていましたが、ほとんど練習もせず行ってしまいました。案の上、演奏の方はかろうじて止まりはしなかったものの、聴くに絶えない感じだったと思います。すいません・・・。
そして、とても嬉しいことに先生の宅にはsteinwayのuplightピアノが置いてあり、先生と共演させてもらいました。ずごく安定感のあるピアノで気持ちよく弾くことができました。その後は先生と奥さん、IBMに勤めていらっしゃる方とその奥さん、東大を卒業した旦那さん(アメリカ生まれの方)とバンドのボーカルをやっている奥さんと、先生の奥さんが振る舞ってくださった日本料理を楽しみながらお話をしたり、子供達と戯れていました。子供と関わっていて思ったことは、アメリカで育った子供はとてもinteractiveでtalkativeということ。そして思ったことはストレートに表現するということ。
先生曰く、アメリカの学校教育は子供に考えさせ、作文をつくることをもっとも重視しているそうです。小学1年生の作文のタイトルは「この世の中で起こっている問題のうち好きなものを取り上げて、その問題点がいかなるものか、そしてそれを是正するにはどのような対策が必要だと自分は考えるか。」だそうです。
僕自身も小学生の時には課題としていくつか作文を書いた覚えはありますが、こんなにハイレベルなお題を小学一年生でやった覚えはありません。中学生くらいになって初めてこんな課題を与えられたと思います。
これを何度も何度も現地の小学生は繰り返しているわけだから、当然talkativeになっていくし、自分の意見というものが周りの評価によって洗練されて、それを発表することをためらわないような人になれるのもよくわかる気がした。
帰り際には子供達がチェロにすごい興味を示し、ぞろぞろと集ってきた。
すでにピアノを始めている子が多く、センスを感じる子も多かった。僕自身は小さいころ楽器がものすごく嫌いで常にやめたい、やめたいとしか思わなかったが、こういう瞬間に今までやっていて良かったと思う。チェロを通して、子供達とすごく仲良くなれた気がした。来週から始まる小児神経内科にこの経験は生きるかもしれない。
結局夜遅くまで、お邪魔して家に帰宅。充実した休日が送れて満足でした。

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第4週目(感染症科) 終了

今日で感染症科の実習が終了した。
長かったような短かったような・・。
正確に言うと、終わってみると短かった気がするけど、実習している最中は毎日早く1週間終わらんかなぁと思ってた気がする。
この1か月は主に英語の特訓になった。まだまだ聞けないけど、場慣れはしたと思いたい。
でもヒアリング能力がまだまだだから今週の週末は自宅から持ってきたERのDVDを見ることにする。
相変わらず今週も患者が少なく、カンファばかり参加していたが、少しは身になっただろうか。でも超絶に速くしゃべる数字がいまだに聞き取れない。
よく去年の先輩はERとかできたなぁって感心する。だってVital聞けなかったから、その人が生命の危機にあるのかどうなのか一瞬で判断がつかないし。

今週は水曜にAttendingのDr. Senaに『金曜に感染症についてのプレゼンをするから、Recommendation Letterをくれないか』とダメもとで頼んでみたら、すんなりいいよと言ってもらえたから、プレゼンをすることになった。
Recommendation Letterというのはどうやらこっちで将来働くときに必要な上級医の推薦状みたいなものらしい。こっちで働く気はないし、英語の能力も足りてないが、もらえるもんはもらっとこと思ってとりあえず頼んでみたのだった。
トピックは僕がHTLV-1、ぐっちがツツガムシだった。ファーストバッターはぐっち。
さすが基礎セミナーで優秀賞とっただけあって、落ち着きのあるプレゼンだった。
本人曰く、内心結構動揺していたらしいがあまりわからなかった。
ぐっちのプレゼンはかなりウケがよかったと思う。
続いて俺のプレゼン。備えあれば憂いなしというし、ガチガチに準備していった。
といっても水曜はSHACがあったので、昨日の夕方から準備し始めて、プレゼンの5分前までスライドづくりに追われていたというかなりピンチな状況だった。
準備をしていっただけの甲斐あって、英語はわかりやすくはっきり喋ることができたんじゃないかと思った(プレゼンの最初のほうは焦りからか噛みまくってたが・・)
プレゼンというものが得意ではないが、準備でこれはカバーするしかないなと思う。
薬理の基礎セミナーの時、優秀な院生が『貝○先生は学会でプレゼンするときは必ず5回は練習する、僕は50回は練習するね、だから君たちは少なくとも100回は練習する必要がある。』と言われ、きょとんとしてしまった覚えがあるがその意味が最近よくわかった気がする。
わかりやすく、そして聴衆をひきつける他人のプレゼンはいとも簡単にしているように見えるが、そのような場合は影でかなりの努力をしている。場慣れしているというのもあるかもしれない。
結局、僕は今回2回目の練習をしている最中でプレゼンになってしまったが、出来は自分にしては上々だったと思う。でもまだ聴衆に訴えかける力は足りなかった。

先生のウケ的にはまぁまぁよかったんだろうが、結構学生のプレゼンを長々と聞いていたので若干疲れているように見えた。けれど、終わった後には『Good Job!』といってもらえた。前のFellowのDr. Vikiは『知らないことが結構あって、勉強になったよ、ありがとう。』と言ってもらえてそれがとても嬉しかった、単純だなぁ俺。
こうやってだんだんとプレゼンのレベルを上げていきたいと思う。

アメリカという社会は本当に恥の文化ではなく、相手を尊重しつついかに自分の意見を筋の通ったように説明するかというものが重要だと思う。こうだと思ったら、発言することを躊躇わない。そして、それに対してほとんど必ず誰かがフィードバックを返す。
こっちでは結果そのものも大切にするが、それ以上にその後に交わされたdiscussionを大切にする。証拠に1か月今まで数多くのプレゼンを見てきて、誰も質問をしなかったプレゼンは一つもない。

一方、日本はたいていdisccusionは相当プレゼンが面白くないかぎりほとんどの場合、poorな感じに終わる。どこの科の先生だか忘れたが、先生がポリクリ生に講義するときにあまりにレスポンスがないから非常にエネルギーを使うと言っていた。確かに自分もそう思った。レスポンスがないプレゼンをすることは、一発芸をやって、笑い声ひとつ聞こえないのに芸をやり続けることと等しい。

集団心理というのはアメリカでも日本でも働くが、こっちは外的な方向へ、日本は内的な方向へ向かう傾向にあると思う。別に日本を批判しているわけでないが、そういう面で日本は明らかにプレゼン後進国に違いない。
せっかくこのような土壌で機会に恵まれたわけだから、これからどんどんポジティブフィードバックをかけていけたらいい。

さて、来月は小児神経内科。
最大の課題はなんといっても子供とのコミュニケーション。
米からアドバイスをもらったからそれを参考にしてみようと思う。
まず子供は絶対に『なんだこの怪しい人(アジア系でしかも英語がつたないから)』と思うだろうから、できるだけそれを取り除くように努めなければならない。なんか誰かいいアドバイス持ってたら参考にさせてほしいです。切実です。
まぁとりあえず今日はいったん実習のことはすっかり忘れてしばしの休暇をとります。
そして来週からまたリスタートする気持ちで臨みます。

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