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最終週(実習編)

火曜日→
いよいよ最終週になってしまった。小児神経内科に初めて来た頃はわからないことだらけで、正直一日がものすごく長く大変に感じた。けれど、最終週になってみるともう終わっちゃうのかぁという感慨深い思いになった。
3連休明けで体が完全にだれていたので朝から本領発揮するのは大変だった。
この日は明日のカンファレンスで学生はなにかcase presentationをしろというタスクが課せられた。しかし、他の3年生はまだfollow upしている患者がいるが、僕はいなかった。
つまり発表する症例がなかったのだが、「じゃあ別のトピックのプレゼンやらせて。」といったらじゃあ小児のstatus migrainosus(持続する片頭痛)の治療についてプレゼンはどうかという提案をもらったのでそれにとりかかることにした。2ヶ月前の自分だったら絶対ここで「プレゼンやらせて!」なんて言わなかっただろうが、なんとなく気軽に言えるようになったのはかなりの進歩な気がする。
でも一日で論文をいくつかとuptodateいくつかを読み上げて、power pointにまとめるのは結構大変な作業であることには変わりない。この日は結局、プレゼンの準備に7、8時間くらいかかった。DHE-45という今じゃ結構commonな頭痛薬の小児に対する治療を調べようとしたが、なかなかいい資料が見あたらなくてそれを探すのがかなり苦労した。結局いい資料がなかったので成人のacute status migrainosusに対するDHE-45の論文を中心に話を進めることにした。選んだ資料は統計学をちょっとかじったmeta-analysisだったので、methodを理解するのに結構苦労した。でも読むスピードはこっちに来てからの2ヶ月、特に1ヶ月を過ぎたあたりからだいぶ進歩してきたので、そこの苦労は結構減った気がする。

水曜日→
3年生と同じカリキュラムに則って実習しているのでこの日が実習の最終日だということを知った。木曜日は個人の面接、金曜日はテストとpizza party(Dr. McNeilという生徒の教育を担当しているドクターの家にて)だ。
最終日は有終の美を飾るにはふさわしい一日であったと思う。
まず朝はjeopardyという講義に参加。これがかなり面白かった。
クラスは合計16人いるのだが、8人ずつに振り分けられる。スクリーンには100~500pointの問題が複数あり、pointが高いほど問題は難しい。それぞれのチームのメンバーが順々にそれらを選択し、もう片方のチームが提示された問題に答えるというもの。もし答えられるとその分のpointが加算され、ミスると0pointになる。自分に課された問題は2問。一つは簡単で助かったが、もう一問はわからなかったのでこっそり横の友達に答えを聞き、無事合計400pointを稼ぐことができた。
こっちに来て、とても嬉しいこと。それはみんながすぐに自分の名前を覚えてくれたこと。
Kazというニックネームは覚えやすいのかもしれない。
答えが合ってた時、横の3年生2人が”Good job, Kaz!!” と言ってくれた。
それだけじゃない、いつも挨拶するにも、必ず”Kaz!! Hi, how are doing??” とか”See you later, Kaz!”だったり、”Kaz!! Let’s eat out lunch!” など節々で自分の名前を呼んでもらえるのが些細ではあるけれど、自分にとってはとても嬉しいことだ、ちゃんと同じメンバーとして認識してくれている。
その後はレクチャーを途中で抜け出し、カンファへ。いざプレゼン。
いつもと違い、power pointを使って説明をしていく形式だったので多少緊張したが、緩急をつけてしかも強調したいところは強調してプレゼンをできた。1ヶ月前よりは自分的にも満足のいく進歩だった。20分くらいのプレゼンで疲れたが、発表が終わった後はみんなが拍手をしてくれてそれが嬉しかった。
その後はいつものように回診。
昼はobserved neuro examという試験があった。以前にも同様のをやったが、今回はresidentが評価を1~10の10段階で点数をつけそれが成績に反映される。正直なかなかキツイものである、なぜなら患者さんが言ってることが外来だと予測できず聞き取りに支障を来たすからだ。
この日見た患者さんは、
39歳 男性
母親とともに来院。
左のtemporal lobe sclerosisがあり、週に1度のペースで右上下半身のjerkを伴ったcomplex partial seizureを起こす。病変は慢性化しており、抗てんかん薬を服薬しているがコントロールが悪いということで来院。精神遅滞もある。Right sided weaknessとくにdistalで強く、歩くのがなかなか難しいとの訴えもあった。
自分がやったのは病歴聴取ではなく細かい神経に的を絞った身体診察。
適宜声をかけながら適当な指示を出し、淡々と進めていく、本来なら。
しかし、患者さんは反応が遅く、また難しいタスクに従うことや喋ることが困難だったのでなかなか苦労した。まずはMental Statusを見るのが鉄則なのだが、AAO(alert, awake, oriented to person, place, time)を確認した時点で、かなり困惑していた様子だったのですかさずMMSEをとることにした。けれど、これも最初の質問から思うように進まなかったので中断。
その後はある程度順調に進み、終了。終了後は異常所見をResidentに確認。
異常所見はperipheral visual deficitの疑い、左注視で両側の眼に左方眼振、顔面の左右非対称(facial droopはなし)、MMTでは右が上下半身とも近位部で4/5で、遠位部で3/5、残りは5/5、腱反射は下半身で両側とも減弱、左右差なし。両側Babinski negative。Coordinationは右優位に異常が見られたがmotorの問題に起因しているとも思われる感じ。
歩きはおぼつかない感じであったが、Rombergは陰性。と言った。
Residentにこの症例はpropioception(位置覚)も確認すべきだったねとの痛い指摘を受けた。でも後で評価を見せてもらったら10点満点をもらえていた。めちゃくちゃ嬉しい。もうここまで来ると自分の診察能力を懐疑的に思うこともなくなってきた。
以上で病院は終了。その後は日本に帰ったときのための大学のおみやげを購入。
記念に自分用にもscrub2着を買ってしまった。
その後は例のSHAC clinic。
SHACに来るのがこの日で3回目。ぐっちは4回目だったが、自分は1回サボってしまった。基本的にやることは外来診察と一緒である。
患者さん一人目
差別用語になってしまうがこちらでは普通に使われている単語”Hispanic”の患者さんであった。
39歳 女性
高血圧があり、来院時はBP150/90、lisinopril10mg BIDを服薬しているがコントロールがあまり良くない患者さん。今回は残りの降圧薬があと1ヶ月分しかないため、その処方箋がほしいということで来院。SHACにはスペイン語の通訳をやっている生徒がたくさんいる。大抵は中学や高校からずっとスペイン語を勉強してきて、大学を卒業し、Medical Schoolに入ろうと考えている人たちばかりである。この日はとってもセクシーな全身紫のワンピースをまとった通訳の人についてもらった。
高血圧の管理は以前のカルテに詳細に記載されていたので、的を絞ったROSを進めていく。まずは全身状態。Fever, cough, chill, weight loss, loss of appetite, malaise, nausea, vomiting, diarrhea, constipation, urinary problem, bloody stool/urineなどから始めHTに関係するROS、Headache, neck pain, stiffness, palpitation, tachycardia, chest pain, cold sweat, back pain, abdominal painなどを聴き、
Headacheもあることがわかった。子供を産んでからしばらく続いているみたい。ほぼ毎日夕方になると痛くなるらしい。がそれほどでもなく1~10のスケールでいうと4くらい。Ibuprofenで解消しているらしい。Neck stiffnessも訴えていたのでおそらくtension headacheだろうという見当をつけ、身体所見へ。
身体所見は神経所見(脳神経含む)とHEENT、心音のみ。ここではquickな診療することがトレーニングの目標の一つでもある。患者さんをいかに待たせずにいい診療ができるが勝負だ。結局すべてを5分くらいで片付けることができた。通訳のセクシー姉ちゃんがわかりやすく喋ってくれたのでとっても助かった。
その後は一緒に診察室にいた3年生が軽くカルテを書いてそれを仕上げ、residentにプレゼン。楽な症例だったが、ここはお金のない患者さんがたくさん来るところ。いかに安くてしかも効果がしっかり保証されている薬を処方するかも大きなポイントの一つである。
このクリニックは基本的に患者さんのフォローアップもしっかりやっているが、問題が大きい場合にはUNCのFamily Medicineへ紹介することになっている。
この患者さんはlisinopril10mg BIDでコントロールが悪かったため、薬を増量するかそれとも別の薬を処方するかという議論になった。患者さんは一ヶ月分のlisinoprilを持っていることを考え、lisinopril10mgとthiazide(名前を忘れた)12.5mgの合剤一ヶ月分とthiazide12.5mgを一ヶ月分処方して二ヶ月持たせようという作戦になった。つまり、今のままでは降圧薬の効果が不十分なので今持っている薬も同時に使用し、lisinopril10mgとthiazide 12.5mgで治療しようというわけだ。アメリカの医療ではコストの問題が常につきまとう。患者さんの多くはそこをかなり心配しているし、医者のその辺はみなナーバスなのだ。

患者さん二人目

49歳 African American 男性

ヘルニアだという風にnurseのカルテに書いてあったが、どこのヘルニアだかさっぱりわからない。椎間板ヘルニアなのか横隔膜ヘルニア、それとも鼠径ヘルニア、大腿ヘルニアなのか。とりあえず問診しに行くことになった。今回も問診・身体所見担当は自分でやらせてもらった。なかなかのbroken English。正直問診しても半分くらい答えが理解できなかった。
二日前に岩を持ったときから右鼠径の当たりに違和感を感じているとのことだった。昨日から少し痛みを感じ始め、今日の朝体をねじったときに痛みが走ったらしい。
この痛みは今回が初めて、痛みの程度は4くらい。上半身を左にねじったときにもっとも痛むらしい。
Social Historyが強烈な人だった。薬物を18年間くらいやっていて、薬物をやめるための施設にしばらく入り出てきたとこらしい。仕事はついこの前、解雇。
皮膚の切り傷の後のようなものは何かと聞くと、ナイフで刺されたと答えた。Philadelphiaにもともと住んでいた人らしい。NCではこんな患者はuncommonだ。
その後はAttendingにカルテを書いた後、プレゼン。超単純な病歴だが、ここでもGood Job!の一言がいただけた。今日は特に英語のoutputがfever状態だった。
ナイフで切られた話をすると、Attendingが以前SHACに銃創で危篤状態の人が運ばれてきたことの話をして、盛り上がっていた。このSHACは当然primary care専門。そういう患者さんは残念ながら扱えないのだ。
再び診察室に戻り、Attendingとともに診察。今回の診察は「鼠径部」だ。黒人がパンツを半分下げてすでに準備万全の様子だった。鼠径ヘルニアの診察の仕方を教えてもらい、入念に触診した。痛いといっている右の鼠径が咳とともにふくらむ気がしたが、attendingが診察するとそれはnormalな所見で鼠径ヘルニアではないと言われた。残念!
鼠径ヘルニアの場合は大抵目で見てもわかるくらい咳で鼠径がふくらむのだそうだ。
患者さんは診察が終わったあと、お前(自分)の方が触診がこの女性(Attending)よりもかなり強かったといわれてしまった。”I examined you very very carefully just for “sure”!”と適当に返事したら笑ってくれた。
Attendingが銃創患者が来たことを患者に話して笑っていると、患者さんはオレも銃で撃たれたことくらいあるよと暴露し始めた。本当にすごいSHの人だ。
よく頭を見ると左の額にくっきりと銃痕が残っていた。交通事故もあるし、ビール瓶でなぐられたこともあるとか・・・。正直聞いていたらキリがないので興味はあったが、診察を終了させた。
この日はプレゼン3件、見た患者さん3人とかなり充実した日であった。実習の最後をこんな形で締めくくれてとっても幸せな気分でした。
後半は平日ですが、休みでした。また今度書きます。
《写真1枚目》
小児神経内科のグループの写真
左から自分、Nicolas、Adam、Dr. Tennison(Attending)、 Dr. Chang(Fellow)、Dr. Alexandra(Resident)、Nicole。UNCの3年生が三人います。
《写真2枚目》
実習終了直後の病院の風景。
《写真3枚目》
左の二人は検査技師の学生、そして自分、UNC4年生
《写真4枚目》
SHAC clinicにいる人たちを全員集めてみた。
今日が最後のクリニックなんだよといったらすんなりみんな集まってくれた。
感謝です。紫の服着た女性がセクシー通訳さんです。
《写真5枚目》
SHAC終了は大体11時頃。終了後、建物を撮ってみた。


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No title

みんないい笑顔っすね!
聴診器ぶら下げた姿が似合ってますよ~.
なんか一回り大きく見える気がします.

アブないネタを通訳させてみて下さい(笑)

No title

本当に、実習おつかれさまです☆
短期間でこんなにも成長できるなんてさすが先輩だなーと!有名ドクターになっても、仲良くしてください笑)


通訳さんとお子さんがとーっても可愛いですv-238他の写真も日本に帰ってきたら見せてください。。。
LAの旅行記も楽しみにしています!




No title

ちょいピザったな(笑)

No title

>おしょう
初めてのコメントありがとう。
skypeしても通じないじゃないか。

たぶんこっちは全然言葉のセクハラしても女性が概して性に対してオープンだから許されてしまうけど・・・・。
現地の人が言えば自然だけど、自分が言うととても不自然な感じになってしまうので無理です、てーかそもそも実習終了したんだって。笑

>Risa
いやー、最初は結構しんどかったよ。精神的に。
一ヶ月を越えたあたりからやっと本当の実力が出せた感じ。
たぶん留学して学ぶことも多いだろうけど、日本でそれなりのベースを作っとかないとそれが半減するよ。LOSは人当たりが結構冷たくて一気にホームシックになりました。笑

>GEN
たぶん写真のレンズのせいでしょう。笑
マジ日本の寿司、うなぎ、カツ、うどんが食べたくて仕方ないです。
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